慣行栽培では長年の肥料の投入により、土だけでなく種にも肥毒が蓄積しており、自然力を吸収する力が弱っています。一方、自然農法では、自家採種を原則としており、毎年、農薬・肥料を使用しない土地での栽培・自家採種を継続しているので、土と種子から肥毒の影響が減少していきます。次第に作物は自然力を吸収して育っていくようになり、作物本来の生命力は増してその土地への適応能力、品質が向上します。
しかし、毎年種を購入するとなるとその土地にとっては初めての種、他の土地に適応した種を蒔くことになるため、その土地への適応能力、品質の向上は見込めません。
本来ならば、自家採種の継続により土への適応能力や品質の向上は、品種にかかわらず期待できますが、現在では、自家採種をすると形質がばらばらになってしまう雑種第一代(交配種F1)などが出回っており、これらの種子で自家採種を繰り返したとしても、作物が本来持っている固有の生命力の増強は期待できません。
また、自然農法では、人為的な「組み換えDNA技術」を用いて遺伝子を改変された「遺伝子組み換え作物」の種の使用は禁止しています。
自然農法では、住んでいる土地や気候に適応した、地元で代々受け継がれてきた在来種、固定種などを 肥料や農薬を使用しない圃場で、毎年自家採種することによって種の清浄化に努めています。これらの種は、品種にかかわらず、本来持っている生命力は増して、品質は良好となることが期待されます。
これから自然農法をはじめる方は、本農法で自家採種を継続している人から種を譲り受けるのが最良です。