(6)連作

種を入手するときは、できるだけ近い地域からの入手をすすめています。作物の種は、作物が育った土地に適応しており、離れた土地の種を持ってくることは、その土地への適応がされていない種を使用することになります。

その究極の形が連作です。連作するほどその圃場の土に、その作物を育むべき適応性が養われると説いています。つまり、作物だけでなく、土自体もその作物がより育まれるよう適応していきます。

ただし、連作がうまくいくには次の2つの条件が必要です。第一に、無肥料栽培を継続すること。土は、無肥料栽培の継続により自由自在に力の発揮ができるようになり、自然力の強化なされていきます。

第二に、自家採取した種を同じ土地に蒔き続けること。これにより、種の肥毒は消滅していき、 その種から生長した作物は、自然力を吸収する力がよみがえっていきます。

作物は、その土地の気候・風土に適応しつつ、土にも適応していきます。すなわち、無肥料によって土が作物に適応して自然力を発揮することと、自家採種によって作物が土に適応して自然力を吸収する力を発揮することの、この2つの相乗効果の発揮により、連作は可能となります。

そのためには、自然農法の圃場内で、数年間はその作物の栽培に適した場所で自家採種を繰り返し、種と土の肥毒が無くなるのを待ち、数年後、ある程度肥毒が抜けたと判断ができれば、連作を試みてみるというのがよいでしょう。

つまり、自然農法は年月を経るごとに、より良いものになっていきます。親から子へ、子々孫々にわたって継続されていく農法です。

■究極の形・連作のイメージ図

図解:究極の形・連作生産者と稲